🦷歯の麻酔は、なぜ効くの?
2026年08月16日
歯医者さんで、あまり人気のないもの。
それはやはり、麻酔の注射でしょう💉
とはいえ、現在の歯科治療の多くは麻酔なしでは成り立ちません。では、あの小さな注射は、どうやって歯の痛みを消しているのでしょうか?
⚡痛みの正体は「神経を走る電気信号」
歯を削った刺激は、神経を通って脳へ伝わります。脳がその信号を受け取ると、私たちは「痛い!」と感じます。
局所麻酔薬が止めるのは、この電気信号です。
神経が電気信号を伝える仕組みを、局所麻酔薬は一時的に止め、痛みの信号を先へ進めなくします。
いわば、神経を壊すのではなく、痛みの電報を途中で通行止めにする薬です🚧
薬がなくなれば通り道は元に戻り、感覚も回復します。
ずっと効いてくれると治療中は助かりますが、そのままでは一生食事ができません。
ある程度の時間できちんと効果が切れることも、麻酔の大切な性能なのです。
🤔一本の歯の治療なのに、なぜ唇までしびれる?
「治療したのは奥歯一本なのに、唇や舌まで巨大化した感じがする……」
もちろん、本当に腫れて巨大化したわけではありません。
歯科の麻酔には、治療する歯の近くに薬を浸透させる浸潤麻酔と、神経が枝分かれする前の太い部分をねらう伝達麻酔があります。
浸潤麻酔では、麻酔薬が周囲の組織に広がり、歯や歯ぐきへ向かう細い神経をまとめてブロックします。
一方、伝達麻酔は、いわば「枝ごとのスイッチ」ではなく「手前の主電源」を切る方法。
その神経が担当する歯・歯ぐき・唇・舌など、広い範囲の感覚が一緒に鈍くなります。
つまり、麻酔が余計な場所へ暴走したのではなく、神経の配線図どおりに効いているのです。
🛡️なぜ、局所麻酔は安全性が高いの?
歯科でよく使われるのは、リドカインなどの局所麻酔薬です。
意識や呼吸を保ったまま、必要な場所の感覚だけを一時的に止められるのが大きな利点です。
また、多くの歯科用麻酔薬には、少量のアドレナリンが加えられています。
アドレナリンが周囲の血管を細くすると、麻酔薬が血液に乗って全身へ急速に流れ出るのを抑えられます。
そのため、少ない量でも長く効きやすくなり、出血も減らせます。
さらに歯科医師は、持病・服薬・体重・年齢などを確認し、患者さんに合わせて薬の種類や量を調整します。
つまり安全性は、薬そのものの性質だけでなく、患者さんに合わせた薬の選択と量の管理によって支えられているのです。
日本では、リドカインとアドレナリンを組み合わせた製剤のほか、アドレナリンを含まないメピバカイン製剤なども使われています。
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ただし、「安全性が高い」は「絶対に安全」という意味ではありません。
アドレナリンによって一時的に動悸がしたり、緊張によって気分が悪くなったりすることがあります。
高血圧や心臓病、薬のアレルギー、以前の麻酔で具合が悪くなった経験があれば、治療前に遠慮なくお知らせください。
🔥炎症が強いと、麻酔が効きにくいことも
強く腫れている場所では、麻酔薬の効果が出にくい傾向にあります。
さらに、神経の位置や骨の厚さには個人差があります。
「効かないのは先生が下手だから」「効かないのは患者さんが痛がりだから」ではありません。
仕方のない場合もよくあるのですね。
痛みを感じたら我慢大会を始めず、手を挙げるなどして合図してください。追加の麻酔や、麻酔方法の変更で対応します🙋
🍜麻酔が切れるまでの注意点
麻酔後に最も気をつけたいのは、痛みではなく、痛みを感じないために起きるケガです。
- 感覚が戻るまでは、できれば食事を待ちましょう。
- 熱い飲み物や食べ物は、やけどに気づきにくいため避けましょう。
- 唇・頬・舌を噛んだり、吸ったりしないでください。特にお子さんは要注意です。
- 「もう切れたかな?」と強く噛んだり、つねったりして試すのはやめましょう。切れていなければ、翌日に立派な傷だけが残ります。
- どうしても食べる必要がある場合は、ぬるくて軟らかいものを、麻酔していない側でゆっくり食べてください。
麻酔が残っている間に唇や頬を噛んだり、熱いものを口にしたりすると、本人が気づかないまま傷ややけどを作ることがあります。
しびれは通常、数時間かけて次第に戻ります。
歯科医院から説明された時間を大きく過ぎても強いしびれが続く、症状が悪化する、じんましん・息苦しさ・強い動悸やめまいなどがある場合は、歯科医院へ連絡してください。
抜歯などを行った場合は、麻酔の注意とは別に、飲酒・運動・入浴・出血などについての指示にも従いましょう。
✨麻酔は「痛みを消す魔法」ではなく、精密な交通整理
局所麻酔は、神経を壊したり、歯を眠らせたりしているわけではありません。
治療する場所から来る感覚の信号を一時的に止め、治療が終わるころには少しずつ元へ戻していく――とてもよくできた仕組みです。
注射そのものは、やはり人気者にはなれないでしょう。
それでも麻酔は、歯科治療を陰で支える、かなり働き者の「通行止め係」なのです🚧🦷







