🍎リンゴで乳歯が抜ける!?家庭での「グラグラ乳歯」の抜きかた
2025年05月26日

丸かじりのリンゴで「ポロッ」
アメリカの小学生のお弁当といえば、茶色い紙袋にサンドイッチと丸ごとのリンゴが定番だとか。
でも、そんな素朴なお弁当の中に、思わぬ“トラップ”が潜んでいることがあります。
「リンゴをかじったら、グラグラしていた乳歯が抜けた!」
……そんなエピソードが、実はアメリカでは「あるある」なんだそうです。
乳歯の抜けそうなタイミングと、固くてしっかり噛むリンゴ。たしかに相性はよさそうですよね。
では、日本のご家庭でも「乳歯がグラグラしてきた!」となったとき、どうやって対応すればよいのでしょうか?
今回は、家庭でできる乳歯の抜きかたと、その際に気をつけたいポイントについてご紹介します。
乳歯がグラグラしてきたときの家庭での対処法
✅まずは見守るのが基本
✅家庭で抜いてもよいタイミング
✅抜きかたのコツ
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清潔な手 or ガーゼを使用
指先や滅菌ガーゼで優しく左右にゆらすと、ポロッと取れることがあります。
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かたい食べものを利用する方法も
アメリカ流に「リンゴを丸かじり」「にんじんスティックを噛んでみる」のもアリ。ただし、抜ける準備ができている歯に限ります。
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ティッシュやガーゼで軽く引く
すでに取れかけていて、最後の“ひと押し”だけなら、ティッシュやガーゼでやさしく引くと抜けることも。
⚠️注意したいこと
「良い思い出になるように」、楽しく安全に
乳歯が抜けるのは、お子さんの成長のひとつの節目です。抜けた歯を記念にとっておいたり、欧米のように「歯の妖精」の寓話を教えてあげたり、いろんな文化があります。
無理なく、安全に、そしてちょっと楽しい思い出になるように。そんな気持ちで見守ってあげてくださいね。
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歯にまつわる言葉、実は奥が深い!
2025年05月19日

「歯に衣着せぬ」「歯がゆい」「歯の浮くようなセリフ」…。
日常でよく耳にするこれらの言葉、みなさんはどんな意味かご存じですか?
実は、こうした“歯にまつわることわざや慣用句”には、昔の人の感覚や身体のイメージが深く関係しています。
今回は、そんな「歯ことば」の世界を、ちょっと楽しくのぞいてみましょう。
「歯に衣着せぬ(はに きぬ きせぬ)」
意味:思っていることを遠慮せずにはっきり言うこと。
由来:「歯に衣服を着けることをしない」、つまり「歯を隠さない」ということから、そのままハッキリとズバリ言う、という意味になったそうです。
ちなみに、歯科的には歯に色々なものを被せたりしますので、衣を着た歯も結構ありますね(笑)
「歯がゆい」
意味:もどかしくてイライラする、焦ったい気持ち。
由来:
説①「歯がうずくような不快感」や「歯の奥がむずむずする感じ」から、「もどかしくてイライラする」という意味になった。
説②「歯はかゆくても、掻くことができない」ことから、「もどかしくてイライラする」という意味になった
→ 由来はハッキリしていませんが、上の二つが説としてあるそうです。
ちなみに、実際に歯ぐきに炎症があると「歯がかゆい感じがする」とおっしゃる患者さんもおられます。
「歯の浮くようなセリフ」
意味:気持ち悪くなるような、お世辞や甘ったるい言葉。
由来:くすぐったいような、鳥肌が立つような気持ちの悪い感覚を「歯の浮く」という身体の感覚に例えています。
歯科医からすると、「歯が浮いた感じ」の時は、たいてい歯周炎です(笑)
「舌先三寸」
意味:口先だけのうまい話。言葉だけで人をだますことも。
由来はよく分からないようですが、昔は「舌三寸」と言ったそうです。三寸はだいたい9センチメートルですから、日本人の平均的な舌の長さ(7センチメートル)より少し長いですね(笑)
おそらく、三寸程度の舌の先だけで、物事をうまく進めようとする(言葉だけで済まそうとする)という意味なのでしょう。
私のような歯科医も、「舌先三寸」ではなく、心のこもった誠実な説明をしなければ。
「目には目を、歯には歯を」
意味:やられたら同じ方法で仕返しをする、という報復の原則。
由来:古代バビロニアの「ハンムラビ法典」に由来する有名な言葉です。
もともとは、「やられたこと以上の報復をしてはいけない」という意味で、正義や公平を象徴する言葉なのですが、現代では「やられたら同じだけやり返していい」という意味で使われることが多いですね。
時代とともに意味が変わってしまうのも、言葉の面白いところです。
「ごまめの歯ぎしり」
意味:力のない者が不満を言っても、相手には届かないというたとえ。
由来: 「ごまめ」とは、いわしなどの小魚を干した食材で、非常に小さく弱い存在をあらわしています。そんな小さな存在が歯ぎしりしても、大きな相手には何の影響もない…という自虐的な表現です。
昔、あるテレビドラマで「正しいことをしたければ、偉くなれ」というセリフがありました。
この「ごまめの歯ぎしり」という言葉も、悔しがって文句を言うばかりでなく、自分がもっと影響力を持てるように実力をつけなさい、という意味なのかもしれませんね。
ただ、実際の「歯ぎしり」は自分の歯には大きなダメージを与えることもありますので、もし心当たりがあれば一度ご相談ください。
ことわざや慣用句には、私たちの「身体感覚」がたくさん反映されています。
とくに「歯」は感覚が敏感ですから、繊細な違和感や気持ちの揺れを表すのにピッタリだったのかもしれません。
歯や口の感覚を大事にすることは、むし歯や歯周病の早期発見にもつながります。
言葉の面白さを楽しみつつ、「あれ?なんかおかしいな」と感じたら、どうぞお気軽にご相談くださいね。
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歯医者さんが来てくれるって本当? 訪問歯科って何?
2025年05月12日

「足が悪くなってから歯医者に行けてないんです」
「うちのおばあちゃん、もう外出できないから…」
そんな声をよく耳にします。でも、実は“歯医者さんが家や施設にが来てくれる”方法があるのをご存じですか?
それが「訪問歯科診療」です。
訪問歯科とは、歯科医師や歯科衛生士がご自宅や施設、病院などに伺い、歯の治療やお口のケアを行うサービスです。
「通えないから仕方ない」とあきらめていた方にも、さまざまなケアを受けていただけます。
こんな方が対象です
・歩行が難しく、通院が困難な方・ご自宅や施設で療養されている高齢者・寝たきりや要介護状態の方
・障がいがあり外出が難しい方 など
どんなことをしてくれるの?
・むし歯や歯周病の治療
・入れ歯の作製・調整
・お口の清掃やケア(口腔ケア)
・嚥下(飲み込み)のチェックやアドバイス
特別な機械を持ち込んで、小さな診療所のようにケアが受けられます。
費用はどうなるの?
・基本的に、すべて健康保険や介護保険の範囲で治療が受けられます。自己負担は状況によって異なりますが、外来と大きくは変わりません。
まずは気軽にご相談ください。
佐渡には「在宅歯科医療連携室」という仕組みがあり、そこへご連絡いただければ、スムーズに訪問歯科診療を受けることができます。
在宅歯科医療連携室はこちら
https://www.sado-da.com/visiting/
お口の健康は、食べること・話すこと・笑うこと…すべての基本です。
通えないからといって、あきらめる必要はありません。
「訪問歯科」という選択肢、ぜひ知っておいてくださいね。
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ゴールデンウィーク明けの“お口の不調”、それって心と体からのサインかも?
2025年05月5日

連休が終わって、なんとなく体がだるい…。
そんな経験、ありませんか?
実はこの時期、
「急に歯がしみるようになった」
「口の中がネバつく」
「口内炎ができて治らない」
といった“お口の不調”を訴えて来院される方がいらっしゃいます。
もちろん、むし歯や歯周病が原因のこともあります。
でも、中には検査をしても「これ」といった明確な病気が見つからないケースも。
実はそうした不調、ストレスや生活リズムの乱れが影響していることもあるのです。
◎ストレスは“お口の健康”にも影響する?
ストレスとお口の状態の関係については、まだ解明されていない部分も多いのですが、現在分かっていることを少しご紹介します。
まず、緊張や不安などのストレスがかかると、唾液の分泌量が減ります。
人前でスピーチをするとき、口がカラカラになったり、唇が乾いたりした経験はありませんか?
これは、ストレスで交感神経が優位になることで唾液の量が減るためです。
唾液は、細菌の繁殖を抑えたり、口内を潤したり、むし歯の進行を防いだりと、さまざまな働きをしています。
分泌が減ると、口臭が強くなったり、ネバネバと不快感が出たり、味が変に感じられることも。
また、強いストレスは歯ぎしりや食いしばりの原因になることもあります。
寝ている間に無意識に歯に強い力がかかり、あごの痛みや歯のしみ、肩こりなどにつながることもあるようです。
◎生活リズムの乱れがもたらす“口内トラブル”
ゴールデンウィーク中は、夜更かしや外食、甘い物の摂りすぎなど、普段と違う生活になりがちです。
こうした習慣の変化は、お口の環境にも影響を与えます。
また、疲れや睡眠不足によって、いわゆる免疫力が低下すると、
口内炎ができやすくなったり、歯ぐきが腫れたりすることもあります。
(※「免疫力」という言葉は一般的によく使われますが、医学的な定義ははっきりしていません。ここでは「体力」や「感染への抵抗力」といった意味で使っています)
“歯のトラブル”と聞くと、どうしてもむし歯や歯周病など、明確な病気を思い浮かべがちです。
でも実際には、心と体のバランスの乱れが原因となって、お口の不調が出ることもあるのです。
もし、ゴールデンウィーク明けに
「なんとなく口の調子が悪いな」
「いつもと違って違和感があるな」
と感じたら、それは心身からのサインかもしれません。
無理せず、ゆっくり休んで、必要があれば歯科や医療機関にご相談ください。
小さな不調を見逃さないことが、心と体、そしてお口の健康を守る第一歩になります。
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