どうして「齢」の漢字には歯が入ってる?素朴な疑問に答えます!
2025年06月23日
🟡 はじめに
「年齢」「高齢」などでよく使うこの「齢」という漢字・・・。
よく見てみると、中に「歯」という字が入っていますよね。
でも…なんで年齢と「歯」が関係あるの?
そんな素朴な疑問に、今日は歯医者の立場からちょっとだけマジメにお答えしてみようと思います。
🦷「齢」は、元々“年のとりかた”を表す漢字
「齢」という漢字の構成を見てみましょう。
「齢」は「歯」と「令」から成る形声文字です。
形声文字とは、意味を示す部分(=歯)と、読み方を表す部分(=令)を組み合わせてできた漢字のこと。
では、なぜ「歯」が意味のカギを握っているのでしょう?
🦷歯の本数で「年齢」を表していた!?
一枚の写真だけ渡されて、写っている子どもの年齢を当てましょう!というクイズがあったら・・・
もしそのお子さんが大きく笑っていて歯が写っていたら、私はかなり正確に年齢を当てる自信があります!
歯の生え変わりのタイミングは、だいたい、年齢によって決まっているからです。
古代の中国や日本でも「歯の生え方や抜け方」が年齢の象徴になっていても不思議はないですよね。
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赤ちゃんの歯が生えるのは生後6か月頃
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永久歯がそろうのはおおよそ12歳前後
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年を重ねると歯が抜けはじめる
などなど
だから、年齢を示す「齢」の字に、「歯」が組み込まれたと考えられているそうです。
🦷「齢」には「よわい」という読み方も
ちなみに「齢」は「よわい」とも読みます。「齢七十(よわい しちじゅう)」のように、敬意を込めて使う表現ですね。
この「よわい」という言葉、もともとは「世延(よは)い(世の中を生き長らえる)」だったといわれています。
「弱い」という言葉とは語源が別のようで、ちょっとホッとしました(笑)
🦷現代の私たちは、年を重ねても「歯を保てる」
さて、昔は「年齢を重ねれば歯が抜ける」のが当たり前でしたが、今は違います。
歯科の予防知識や技術が発達し、80歳で20本以上歯を保つ「8020運動」なども浸透してきました。
「歯」を大切にすることが、元気に「年齢」を重ねるための秘訣にもなっているんですね。
🟢 まとめ
「齢」の中に「歯」があるのは、単なる偶然ではなく、昔の人の身体観・人生観が込められていたから。
歯の状態を見れば、その人の年齢や健康状態がわかる…そんな時代から、現代は「歯を守りながら長生きする」時代へ。
今の私たちができることは、しっかり歯を守りながら、毎日を元気に過ごすこと。
「齢」に込められた昔の知恵に感謝しつつ、未来に向けて歯を大切にしていきたいですね。