歯周組織って何だろう?
2026年01月4日
今回はちょっと趣向を変えまして…
【歯周組織】について、解説していきたいと思います。
一般の方には分かりにくいかもしれませんが、申し訳ありません。
まず、【歯周組織】の前に、「歯」からご説明しましょう。
歯の、生えている部分(食べ物を噛む部分)が歯冠、歯ぐきの中に埋まっている部分を歯根と言います。

歯の内部も見ていきましょう。
歯の硬い部分はエナメル質と象牙質でできていて、その中には歯髄(歯の神経や血管)があります。
そして、根っこを覆うように、セメント質があります。
実はこのセメント質は【歯周組織】でもあるのですが、それは後でご説明します。

それと、この後の説明は歯のくびれ(歯頚部)の拡大図でしていきますね。

さて、この歯の周りには、歯ぐき(歯肉)がありますね。
そう、【歯肉】が、まず1つ目の歯周組織です。

・・・ところで、なぜ歯の周りに歯肉が必要なのでしょう?
もし歯肉がなかったら?を想像してみて下さい。
もし歯肉がなかったら、あごの骨がむき出しになりますね。
ヤバイ。
それに、歯根もむき出しです。
しみますね。
体でたとえると、皮膚がめくれて無くなった状態と同じです。
皮膚や歯肉のことを「上皮」といいます。
人間の体は、「外に触れる部分は上皮で覆われる」ルールがあるんです。

ふーん、でも「歯」が歯ぐきから突き出てるよね。
歯ぐきに穴あいてるじゃん。
ぜんぶ上皮で覆われるっていうルール破ってない?
と思った方は鋭い。
実は、歯の中でも「エナメル質は上皮由来」なのです。
健康な人は、歯肉とエナメル質という上皮由来の組織で、全て覆われているのですね。

でも、歯と歯肉だけでは噛めないですね。
歯をしっかり支えてくれる硬~い組織、そう【歯槽骨】が2つ目の歯周組織です。

あれ?歯根と歯槽骨の間に隙間がありますね。
骨は、新陳代謝が活発です。自ら壊しては作り直し、を常に続けています。
もし、歯根と歯槽骨が密着すると…
骨の中にある壊し屋「破骨細胞」が歯根を壊し始めます!
壊れたところを、直し屋「骨芽細胞」が骨で埋めていきます!
すると、歯根がどんどん無くなって、骨で置き換わってしまいます。
これは置換性吸収とか、アンキローシスと言われます。

歯根と歯槽骨の間には、何かが必要ですね。
それを埋めてくれるのが3つ目の歯周組織【歯根膜】です。
歯根膜は多くの細い線維でできていて、歯根と歯槽骨を繋いでくれます。
たくさんのロープで歯と骨を繋がれているのを想像して下さい。

でも、ちょっと待って。
ロープの端っこはどうなっているんでしょう?
歯根と歯槽骨としっかり繋ぐには、ロープが歯や骨にガッチリと食い込んでいる必要があるはずです!
そこで、最後の歯周組織【セメント質】の登場です。
セメント質は、象牙質を覆う硬い組織ですが、歯根膜の線維がその中に食い込んでいるんです。
これで、歯根と歯根膜がガッチリくっつきました。
セメント質が歯周組織に分類されるのは、こういう理由なんですね。

もちろん、歯根膜のロープは、歯槽骨側にもガッチリ食い込んでいます。
骨の中でも線維が食い込んでいる部分を、特に【固有歯槽骨】と言ったりします。
実は実は!【セメント質・歯根膜・固有歯槽骨】は、もともと同じ組織から作られるんです。
だんご3兄弟ならぬ、歯周3兄弟。

もう少し詳しく言うと、同じ骨組織なのに、固有歯槽骨は、その周りの歯槽骨(支持歯槽骨)と親になる細胞が違うんです。
レントゲンでは見分けがつきませんが、歯の周りの骨には二種類ある、と知ると、臨床的にも面白い現象があるんです。
ま、それはまた別のお話。
まとめますと、歯周組織は文字通り歯の周りで歯を支える組織で、
①外側を覆う上皮としての【歯肉】
②歯根を支える【歯槽骨】
③歯槽骨と歯根を繋ぐ【歯根膜】
④歯根膜が食い込んだ【セメント質】 です。

長文お読み下さりありがとうございました!






